市況

2024年9月中旬 国内外の蕎麦産地情報

 

 

国産玄蕎麦

 

 令和6年産北海道産蕎麦は、8月下旬にかけて継続的な雨が続いた影響により、今年は収穫作業が遅れ、早積み分は例年より遅い出荷になりました。現在も収穫作業が行われておりますが、播種時期の早い蕎麦は継続的な雨や暑さによる影響から実付きが悪く反収が上がらないとの報告を受けております。

道内の中でも時期や地域によって収穫状況に差が出て来ております。

 

 東北や北関東等は例年8月のお盆前後が播種時期になりますが、今年は相次ぐ台風や大雨の影響により、播種作業の遅れや蒔き直し等が報告されております。その為、遅れによる収穫時の霜害が懸念されます。

 

中国産玄蕎麦

 

 2024年産中国産蕎麦の主産地内蒙古東部赤峰地区では、5月末から6月上旬にかけて順調に降雨があり、政府補助金対象の大豆、トウモロコシ、高粱等が多く撒かれ、大幅に減少した昨年同等の栽培面積とみております。これから本格的に収穫作業予定となっておりますが、継続的な雨により実付きが悪いとの報告もあります。

 内蒙古西部地区は、干ばつの影響から菜種の代わりに蕎麦を撒きなおし播種面積が増えていると推測されます。収穫は雨の影響により例年より遅い9月中旬頃の予定となっております。

 西北部でも、トウモロコシ、ジャガイモ、ヒマワリ等の面積が増えた分、蕎麦の播種面積は減少しております。収穫迄は後1か月程ありますが天候から昨年より減収が予想されます。

 

 2024年もロシアから安価な蕎麦の輸入が予想されており、農民は蕎麦よりも高収入となる経済作物を積極的に栽培したい意向で、作付面積は減少した昨年並み程度とみております。

 

ロシア産玄蕎麦

 

 2024年産ロシア産蕎麦の播種面積について暫定予測値が公表されました。(今後もデータの更新があると思われます。)

 現時点でのロシア全体の暫定値は1,092,200 ha(23年産1,286,255 ha)、主産地アルタイ地方は現時点で暫定値611,800 ha(23年産720,302 ha)と記録的な播種面積と収穫量だった2023年産よりは減少しております。

 

 主産地アルタイ地方ではオーツや大麦、小麦の収穫期である8月に雨が多かったので、収穫作業に遅れが出ております。その為、その後の蕎麦の収穫作業にも遅れが出ていますが、長期予報によると9月中旬以降は天候も回復するとの事で、収穫作業は進むだろうと予想しております。尚、アルタイ地方は9月末頃から例年降雪の可能性があり、状況を注視しております。

 

アメリカ産玄蕎麦

 

 2024年産アメリカ産玄蕎麦の産地ワシントン州では7月上旬に蕎麦の播種作業が開始され、天候にも恵まれ順調な生育状況です。8月上旬に山火事による煙が多少ありましたが、作物には影響ありませんでした。気温も例年通り安定しており、10月上旬頃から刈り倒し予定になります。7~10日程天日乾燥し、順調にいけば11月下旬または12月上旬には国内搬入が予定されております。

 

モンゴル産玄蕎麦

  

 2024年産モンゴル産玄蕎麦は例年通り6月上旬に播種を開始、9月初旬から刈り倒し収穫を予定しております。昨年と同等な播種面積程度と推測されます。順調にいけば9月初旬から刈り倒しが始まり10月迄に収穫、年明け頃には日本に入荷するもようです。